偏光サングラス研究会 偏光レンズの長所と短所
偏光レンズの長所
偏光レンズの長所はトップページからずっと説明してきましたので、繰り返しになりますが偏光レンズの機能です。偏光の機能は様々な方向に振動する光を、一つの方向に振動する光のみに整理し、レンズを透過させることになり。それによって光のギラツキや眩しさが抑えられにじみ感やまぶしさが抑えられます。また、色の濃さのわりに暗くなりにくく視認性は普通のカラーレンズに比べてとてもよくなっています。近年の光環境は目にとってとても負担のかかるものになっておりますので、この偏光レンズは日常でもどんどん使っていただけると良いのではないでしょうか。
偏光レンズの短所
一方、偏光レンズにも短所があります。短所はなかなか明示しにくいところでもありますがあえて。1、偏光レンズの機能の目安として偏光度がありますが、偏光度が高いほど乱反射を抑えられます。でも偏光度が高くなると色が濃くなってしまいます。夜間運転が不可となり、見た目もちょっとこわもてになってしまいます。偏光度とレンズの濃さは比例するのです。
2、偏光レンズは値段が普通のレンズに比べて高くなる。レンズの中にフィルターとなる偏光幕を挟み込んで加工をしますので、手間がかかるのと、瑕疵のないレンズを作るのが難しく、歩留まりが悪いということもあるのだと思います。
3、レンズの寿命があります。レンズ素材やコート取り扱いなどで寿命の期間は変わりますが、経年変化もあって、日にちとともに偏光度にムラができたり、フィルターが傷んでしまったりが残念ながら避けられません。もちろんすぐに機能がダメになってしまうわけではありませんが、新品の時と比べるとレンズの周辺部に変更が聞いてない部分ができたり、色にムラができたりしてしまいます。
4、レンズの加工が難しく、レンズ保持のために力がレンズにかかってしまったり、レンズカーブとメガネフレームのリムカーブが違っていると、レンズに余計な力があたって、歪ができその部分の偏光能力が落ちてしまいます。しかしながら力がかかっていない状態ではレンズはメガネフレームから脱落してしまう可能性が大きいためいろいろな工夫が必要となります。
5、レンズの取り扱いがデリケート。プラスティックのレンズは(一般のレンズもそうですが)60℃以上の環境に置かれると、膨張します。その時レンズ表面のコートを引っ張って、クラック(細かいひび割れ)を発生させてしまいます。偏光レンズではそれに加えて、レンズの中の偏光フィルター幕を痛めてしまう可能性が大きく、車の中など温度が上がってしまうところに置きっぱなしにした場合、新品のレンズでもダメになってしまいます。(ダッシュボードなどの光の当たらないところにおいても温度があがって60℃以上になれば同じです。)
また水にも気を付けてください。水の中につけっぱなしにしておくと、偏光フィルターをレンズ素材で挟み込んでありますので、水分が間隙にしみこんで、レンズを剥離してしまうことがあります。水洗いした後も、吸水性の良いメガネ拭きでリム(レンズを保持している金属)とレンズの間の水分をしっかりぬぐい取っておくと良いでしょう。(ドライヤーなどの熱では乾かさないでください。)
6、レンズが傷んだ時、片側は何ともなくても、ペアーでないと作成できない。もったいないと思いますが1枚では作れないそうです。また、片方が度無しでも料金は度付きのペアー料金になります。
偏光レンズは良いレンズですが、とてもデリケートです。正しい取り扱い方法を守って快適にお使いください。